糖尿病の検査
糖尿病の検査
糖尿病に関する検査は、おおよそ以下のようなものがあります。
他にもいろいろありますが…
血糖値、ヘモグロビンA1c(グリコヘモグロビン)測定器を院内に設置しており、当日に検査結果をご説明し、治療方針を決定しています。また、インスリン分泌能評価、合併症検査も行い、必要に応じて外来での自己注射導入や血糖自己測定の指導も行います。糖尿病は、初期、軽症の場合、自覚症状に乏しい疾患のため、検査による評価が重要です。健康診断での指摘、受診が進められた場合には、ぜひ、早目に糖尿病専門医を受診してください。
血液を採取した時点の血液中のブドウ糖濃度(血糖値)がわかります。食後は食事をしていない状態(空腹時)と比べ血糖値が高くなることが多く、空腹時の血糖値を確認する場合、前回の食事から約10時間経過したのちに血液採取をします。随時血糖とは、空腹時以外のタイミングでの血糖値のことです。40~74歳までの方を対象としている特定健診では、空腹時血糖値が100から125mg/dLで特定保健指導、126mg/dL以上で医療機関への受診が推奨されています。
赤血球中のヘモグロビンという色素のうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値です。血糖値が高くなるとブドウ糖が赤血球の中のヘモグロビンと結合します。ヘモグロビンA1cと呼ばれるもので、血糖値が高いほどヘモグロビンA1c値も大きくなります。普段の血糖値が高い人はHbA1c値が高くなり普段の血糖値が低い人はHbA1c値も低くなります。
過去1~2ヶ月間の血糖の状態を示す値で、糖尿病の合併症予防のための血糖コントロールの管理に有効とされています。特定健診では、HbA1c 5.6 から6.4%で特定保健指導、HbA1c 6.5%以上で医療機関の受診が推奨されています。
値が高くなる原因は、その数値の元となる血糖値が継続的に上がるためです。血糖値が上がる原因としては、インスリンという血糖値を下げる役割を果たすホルモンが有効に機能していなかったり、不足していることが考えられます。要因として、食べ物・ストレス・遺伝・肥満・妊娠などがあります。
HbA1cが高いというのは、血糖値が高い状態が継続していることを示しています。その場合は糖尿病が疑われます。実際の数値としては、HbA1cが6.5%以上になると糖尿病を疑います。またこれが8.4%を超えると糖尿病による各種の合併症を発症する危険性が高まります。
尿中に排泄された糖のことです。血液中の糖は、腎臓で血液から濾過される過程で水分とともに体に再吸収されますが、血糖が異常に増加して限界を超えると、糖が尿中に排泄されます。血糖値が160〜180mg/dLで尿中に糖が出てくるといわれています。
糖尿病を診断するための検査で、10時間以上の絶食後、75gのブドウ糖水を飲み、その1時間後と2時間後に採血して血糖値の変動を見ます。血糖値の変動から、正常型、糖尿病型、あるいはその境界型といったパターンが示されます。2時間後の血糖値が140mg/dL未満なら正常型、140~200mg/dLが境界型、200mg/dL以上は糖尿病型となります。
空腹時の血糖値が基準値範囲内でも、食後の血糖値が高い場合は、将来、糖尿病にかかるリスクが高いため注意が必要です。また、境界型も糖尿病を発症する可能性が高く、動脈硬化が進みやすいとされていますので、普段の食事や運動に気をつけるとともに、定期的に検査を受けるようにしましょう。
アルブミンは血液中のタンパク質で、作られてから壊れるまでの間(約20日)に、血液中の糖にさらされて、糖が結合するという性質があります。アルブミンのうち糖がくっついたものの割合をグリコアルブミンといい、過去2週間分の血糖値を反映します。
自己血糖測定(SMBG:Self Monitoring of Blood Glucose)とは、簡易血糖測定器(血糖値を測定するための機器)を用いて自分で血糖値を測定することです。
血糖値の測定は病院やクリニックで採血をして行いますが、簡易血糖測定器を用いることで、いつでも血糖値を知ることができます。簡易血糖測定器の特徴として、必要な血液量がごく少量(米粒やゴマ粒)だけでも血糖値を測定することができます。とても小さいため持ち運びが簡単に出来ます。ご自宅でできる簡易の血糖測定です。指先などの皮膚に針を刺し、わずかな血量で血糖値を測定します。インスリンやGLP-1受容体作動薬の在宅自己注射を行っている方は、公的医療保険が適用されます。
専用センサーを皮下に装着することによって血糖値を一定の間隔で持続的に測定できます。24時間以上続けて血糖値の変化を記録できるため、睡眠中の低血糖や食後高血糖などの血糖変動も確認できます。
低血糖とは、血液中のブドウ糖(グルコース)が少なくなりすぎる状態のことを指し、一般的には血糖値が70mg/dL未満になった場合のことです。
こんな症状の場合
低血糖の可能性が考えられます。
採血で、血液中のインスリン濃度を測定できます。血糖値を同時に見ることで、血糖値とインスリンとのバランスを確認できます。血糖値が高いのにインスリンの量が少ないインスリン分泌能低下や、インスリン量が多いのに血糖値が下がらないインスリン抵抗性などがわかり、糖尿病の状態をより詳細に知ることができます。
膵臓からインスリンが分泌される際に、インスリンに付着して出てくるタンパク質がCペプチドです。Cペプチドの量を測ることで、膵臓から出たインスリンの量を推測することができます。
糖尿病は、初期、軽症の場合、自覚症状に乏しい疾患のため、ついつい受診が遅れてしまったり、治療を中断してしまう方がいらっしゃいます。ところが、治療を自己判断で中断してしまいますと、自覚症状のないうちに合併症が発生、進行してしまう可能性があります。糖尿病は、血糖コントロールが悪化しないように、合併症が発生しないように、そして進行しないようにして、元気に生活していただくことが治療の大きな目標です。健康診断で指摘があった場合には早目に糖尿病専門医を受診して、中断なく治療を継続することが重要です。
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